夏の日の出来事


「言いたいことは全部、言って来い。それで後悔しろ。恥かいてこい。そしたら俺がフォローしてやっから」


「強がって解決することなんかなんもねえ。素直な奴は全員、自分の気持ちをぶちまいてんだよ。恥かいて、誰かに助けてもらって、生きてんだよ。最初っから素直になれる奴なんか居ねえから。だからお前も素直になりてえならがむしゃらになってでも自分が思ってることは全部誰かに言ってこい」


壊れた心が少しずつ直っていくのが分かった


「...はい...」


「家、送る。何処?」


「平気です。あたし...学校に忘れ物しちゃって★」


「...じゃあ戻るか」


「大丈夫です!!職員室にも用があるので!!ありがとうございました!!」


先輩に挨拶をして、来た道を走って戻る


あたし、伝えたい


「聖夜ー!!!」


聖夜は、ゆっくりと歩きながら家に向かっている途中だった


「由愛...?」


「ハァー...」


ゆっくりと呼吸を整える


「あたし、聖夜に言いたいことあるから...後で家に行ってもいい?」


「いいけど...今一緒に行けばいいんじゃねえの?」


「ううん。今からちょっと他に用事あるから...終わったら聖夜の家に行く」


「...ん、分かった。じゃあ待ってる」


あたしは聖夜とバイバイして、また走った


学校に...きっとまだあの人達は残ってるはず


下駄箱について、1人の下駄箱の中を確認する


...上靴はまだ入ってない


だから...教室に居るはず








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