夏の日の出来事


結局は、聖夜も一緒だったんだ


聖夜も、同情してたんだ


だからあたしに近付いた


もう...何も要らない


「ねえねえ、君はいくら?」


町をフラフラしてたら、若い男が近付いてきた


「....」


無視して歩く


「ねえ、5でどう?」


あたしにパーを見せる


...援交か...


あたしの体は5万に見える?


傷を見たら、誰だって逃げたくなる


聖夜のあの顔が、再び蘇る


聖夜も...結局は周りと一緒


「...いいよ、別に」


「じゃあ来て。いいとこ、知ってるから」


男の1歩後ろを歩く


もうどうにでもなればいい


親もいなければ誰も怒らない


誰も怒れない


あたし、憐れ?


こうでもしなきゃ、誰も抱いてくれないから


恋愛なんて、要らない


町を歩けば、誰かが声をかけてくれる


5万であたしを抱いてくれるんだから









< 21 / 121 >

この作品をシェア

pagetop