夏の日の出来事
「俺は、お前を全部愛す自信がある。だから...」
「ふざけないで。罪滅ぼしのつもり?」
「違う!!」
「全部...嘘にしか聞こえないの。所詮はあたしの親を殺した殺人者の子どもでしょ?そんな愛なら要らない」
「もともと、あたしに近付いたのも罪滅ぼしでしょ?最初から...知ってて近付いたんでしょ!?」
「.....」
言いすぎたなんて微塵も思ってない
全部、事実だから
「邪魔だから、退いてくれない?」
「......」
何も言わない聖夜
「ハァー...早く退いてって言ってるでしょ」
「絶対退かねえよ」
「は...」
「...最初っから知ってたよ、由愛の両親を殺したのは、俺の親父だって。だから、近付いた。由愛がどう思ってるか聞き出そうと思って」
ほらね
罪滅ぼしのために近付いたんじゃん
「でも...」
なにか言いたげ
「もう...聞きたくない!!」
聖夜を突き飛ばす
「いってぇ...」
聖夜は頭を押さえて蹲る
「二度と近付かないで!!罪滅ぼしのために自分の愛をあたしにくれるの?そんな愛なら...願い下げよ!!」
カバンを掴んで、再び聖夜の家を出た