夏の日の出来事
「もともと、あたしに近付いたのも罪滅ぼしでしょ?最初から...知ってて近付いたんでしょ!?」
「.....」
たしかに...そうだった...
最初は...どうだった...
「邪魔だから、退いてくれない?」
「......」
「ハァー...早く退いてって言ってるでしょ」
「絶対退かねえよ」
「は...」
「...最初っから知ってたよ。由愛の両親を殺したのは、俺の親父だって。だから、近付いた。由愛がどう思ってるか聞き出そうと思って」
でも...昨日と今日とじゃ違う
俺は...由愛が好きなんだよ...
「でも...」
「もう...聞きたくない!!」
俺は突き飛ばされて、壁に頭を打つ
「いってぇ...」
頭を押さえてうずくまる
「二度と近付かないで!!罪滅ぼしのために自分の愛をあたしにくれるの?そんな愛なら...願い下げよ!!」
カバンを掴んで、部屋から出て行った由愛
クソ...
やっぱり...ダメなのか...?
罪滅ぼしとしか...思ってもらえねえのか...?
結局は...通じねえのかよ...
「クソッ!!」
壁を殴った