夏の日の出来事


「俺が言ったこと」


「っ!?」


慌てて顔を上げる


...聖夜だった...


だから声が低かったんだ


最悪...


会いたくなかったのに...


「あっそ」


顔を伏せる


「信じてもらわなくてもいいけど」


「....」


なら言うなっての


言う必要ないじゃん


「なんであたしなの?」


「え?」


「あ...」


思ったことが口に出ちゃった


「簡単なことだろ」


「.....」


「由愛が好きだから」


呆れた


こんなとこでこんなこと言うなんて


やっぱ軽い人なんじゃん


「もう顔見せないでって言ったよね。聖夜も殺されたいの?」


「別に由愛ならいい。由愛の両親を殺した親父の息子だ。恨みたくなるのは分かってるから。答えなんて、最初っから知ってる。でも、出来るなら...俺が由愛を幸せにしてやりてえって思う。罪滅ぼしなんかじゃねえ。軽い気持ちなんかじゃねえよ」


顔は分からないけど、声の調子で分かる


...本気だと







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