夏の日の出来事


だけど、そんなの受け入れれるわけがない


どうせ、聖夜もみんなと一緒だろうし


罪滅ぼしだって絶対思ってるに決まってる


「もう...寄らないでよ!!」


「由愛!!逃げんなよ!!」


教室から出る時、聖夜がそう叫んだ


逃げる?


あたしが?


いつどこで


あたしは何から逃げてるって言うの?


全部...1人で戦ってきたつもりだよ


屋上に出て、日かけに座る


...風が涼しい...


寝転んで、空を見つめる


青い...夏空


綺麗な、どこまでも澄んだ青


お父さん、お母さん


あたし、何から逃げてますか?


あたしは今まで、頑張って来たつもりです


1人で...何もかもをこなしてきたつもりです


なのに...逃げてるように見えますか?


泣いてるように見えますか?


『由愛が好きだから』


「...っ」


聖夜の言葉が蘇る


だったら...


そう思うなら...


あたしの前に出てこないでほしい








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