夏の日の出来事


「お願い...そんなの...要らない...」


「分かったから。泣くなって」


聖夜はしゃがんであたしの背中をさすってくれる


「聖夜...っ!!」


「ちょっ!?」


聖夜にしがみついて、泣いた


何かが吹っ切れた気がした


「クスッ」


聖夜が笑った


「由愛、無茶しすぎ。1人で頑張ろうなんて思うなよ。そりゃお前は俺を恨んで、嫌ってるかも知れねえけど、俺は由愛の味方だ。どんなことがあっても守ってやっから。笑って」


「.....」


笑えない、絶対


あたしだけが...幸せになんてなれない...


...聖夜が幸せになることも、許せない


涙目のまま、あたしは聖夜を突き放す


「?」


「あたしは...っ幸せになんてなれない...聖夜が...幸せになることも...許せないっ!!」


「....」


聖夜は黙ったままあたしの手を握る


「離して...!!」


「俺は幸せになろうなんて思ってねえ。由愛が幸せになってくれれば、それでいい。そしたら俺はもう十分だから。俺が出来ることは全部したいって思う」


「ずっと...由愛のために、生きてみたいんだ」


あたしは唖然


ここに...本物のバカが居たよ...









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