夏の日の出来事
疑い
その日から聖夜と付き合い始めた
凜乃にも、康祐君にも伝えた
凜乃は大泣きして喜んでくれた
『今は恨んでも、聖夜君なら絶対由愛を幸せにしてくれるよ!!』って言ってくれた
聖夜はあたしに約束してくれた
あたしが本気で聖夜を好きになるまでは何もしないって
まあ抱き締めるとか手ェ繋ぐとかは許すけどさ
聖夜は、あたしを本気で大切にしてくれた
傷のことも、気にかけてくれる
だけど、心のどこかで疑ってる
罪滅ぼしとか、同情とか
いつか裏切られるんじゃないかって
疑ってる自分が居る
「由愛、行くぞ?」
「あ、うん」
今日は土曜日
聖夜の家に遊びに行く
聖夜のお母さんは今日は居ないんだって
まあ居ても居なくてもいい
あたしは、許してないから
けど、本当はどこかで許してるんだと思う
「入って」
「お邪魔しまーす」
...あれ?
前来た時には玄関に写真が飾ってあったのに...
今日はどこにも写真がない