夏の日の出来事


「写真、ないの?」


「あぁ。由愛が見たら傷が痛むかなって思って外した」


「ふぅん」


聖夜はいつもそう


絶対あたしを大切に思ってくれてるって分かる


聖夜にも届いてるかな?


あたしも...聖夜が好きって


最近手を繋ぐことに抵抗がなくなった


聖夜が隣に居て当たり前って思うようになった


それって...好きってことでしょ?


あたし、聖夜が好き、多分


同情でも、罪滅ぼしでもなんでもいい


聖夜には...一緒に居てほしいっていつしか思うようになっていた


「コーヒー、飲むよな?」


「うん。聖夜が淹れるコーヒー好き」


「ははっ。インスタントだけどな?」


「どこのメーカー?帰りに買いたい」


「じゃあ帰りに一緒に行くか?」


「うん、行きたい」


やった♪


美味しいコーヒーが家でも飲める♪


あたしはいまだに聖夜の前で笑ったことはない


聖夜は前にも増して笑うようになった


嬉しいことなんだけどね...


「はい。熱いからな?」


「はーい」


コーヒーを受け取る












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