夏の日の出来事
「あっつ!!」
「だから言ったじゃん」
あたしからコーヒーを奪ってテーブルに置く
「熱すぎるし!!」
「大丈夫?手、見せて」
「ん」
聖夜に手を見せる
「あー、赤くなっちゃってる...冷やさなくて平気?」
「平気だよ」
今はそんなに熱くないし
「そ。ならいいけど」
「ありがと」
「おう」
にっこり笑う聖夜に胸がときめいた
...え!?
ときめくわけないじゃん!!
そりゃまあ...アレだけどさ...!!
「どうした?」
ズイッと顔を引き寄せられる
「な...なんでもないし!!」
「ふーん。はい、コーヒー。今度は気を付けて飲めよ?」
「うん」
フーフーしながら啜る
その姿を聖夜は愛おしそうに見つめていた
あたしは気付いていないけど
ガチャッ
玄関が開く音