夏の日の出来事


「ヤバッ...」


聖夜がそう漏らす


「お母さん?」


「そう。今日は帰らねえって言ってたのに...由愛、隠れてな」


「いい、平気」


「え?」


あたし、決めた


ちゃんと...許そうって


きっと...2人も望んでるって


「あら、聖夜。...!!」


「こんにちわ」


ペコッと頭を下げる


「こ...今度は何しに来たのよ!!お金!?お金の請求に来たのね!?」


「母さん...」


...そう思われてるんだ


「うるさいぞ、多枝子。....君は...」


「お久しぶりです、おじさん」


片目を眼帯で隠してる...2人を殺した張本人が目の前に居る


「聖夜、どういうことだ?」


「見ての通りだよ」


聖夜があたしをグイッと引っ張って抱き寄せた


「俺ら、付き合ってる」


「え?」


「...そうか」


おじさんはあまり驚いていない


あたしを、真剣な目で見つめてくる


聖夜と同じ、見透かした目







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