夏の日の出来事
「君は...」
「北野です。北野由愛です」
「...もう高校生になったのか...」
「はい。1年生になりました」
「そうか...」
おじさんは、弱弱しい声をしている
...十分苦しんでるんだ...
「あたし、おじさんを許そうと思うんです」
「え?」
「....」
聖夜が驚いてる
「たしかに今も心のどこかで許せてない部分もあります。けど...おじさんは十分苦しんでると思うんです。あたしは...もうそれで十分です」
「聖夜と居て、分かりました。過去ばっか見てないで...今を見るのも大切なのかなって。お母さんとお父さんが居ないのは寂しいですけど。でも、あたしには今があると思えるから」
「由愛....」
「だから、もう十分です」
気付いたら涙が出ていた
あたし...間違ってないよね...?
きっと...こうなることを望んでるよね...?
「ありがとう...」
「えっ!?」
聖夜があたしにお礼を言ってくる
「ちょっ!?」
なんで聖夜が泣くの!?
「ホントに...ありがとう...」
「うきゃっ!?」
あたしに飛び付く