夏の日の出来事


「な...!?」


子どものように泣いてる聖夜


「.....」


あたし、聖夜を傷つけてるのかな?


聖夜に...負担かけてるのかな?


聖夜だって...人間だもん


喜怒哀楽は当たり前にある


感情だってある...


聖夜はおじさんの息子だって忘れてた


忘れてて、ずっと傷つけてたんだ...


なのに聖夜は何も言わずにあたしの話を聞いてくれた


それで宥めて、寂しさを埋めてくれた


だけど...それは全部あたしだけ


聖夜には...何も返せてなかったんじゃない...?


「聖夜...ごめんね...」


あたしは聖夜を優しく抱き締めた


力を入れたら嫌だけど...


軽く力を入れると、聖夜は抱き締め返してくれる


「北野さんのお墓は...?」


「丘の上にあります。2人だけの...特別なお墓を知り合いに頼んで作ってもらいましたからすぐに分かるはずです」


「そうですか...」


「御参りに行ってくれるんですか?」


「行こうと思ってるんだが...やっぱり...無駄か...?」


「いいえ、嬉しいです。あたしだけ御参りに行ってたから多分、寂しがってると思います」


ニコッと笑う









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