夏の日の出来事


「由愛、笑うと可愛い」


「えっ!?」


あたしはとっさに顔を覆う


「初めて由愛、笑った」


「そ...そんなことは...」


「もっと笑って、由愛」


そう言われましても...


「笑うと可愛いからさ」


「......」


そんなこと、全然だし...


「自分に自信が持てないんだろ?」


やっぱり...見透かされてる...


やっぱり...全部、バレてる...?


「俺に嘘つこうとしても無駄だからな」


「いたっ」


デコピンをされる


「全部バレてるっつうの♪」


悪戯そうに笑う


...聖夜だって...


「聖夜だって...」


「え?俺?」


頷く


「聖夜だって、言ってよ。ツラいって、苦しいって。あたしばっか、気に掛けないでよ。自分のこと、大切にしてよ」


「聖夜に何かあったら...あたし、嫌なの」


「由愛...!!」


「ちょっ!?」


強く抱き締められる








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