夏の日の出来事
「じゃあ俺、家こっちだからさ」
「うん、また明日ね」
あたしは反対方向に歩こうとした
が、聖夜があたしの腕を掴んでる
「...どうしたの?」
「いや...」
とか言いながら、聖夜は離してくれない
「聖夜、離して?」
「あぁ」
ちょ、離してってば...
全然離す雰囲気がない
「...聖夜」
「あ、悪りぃ!!」
パッと離す
「大丈夫?ぼーっとして...」
「大丈夫、なんでもねえから」
「そ。じゃあ明日」
「おう」
反対方向へ歩き出す
「ハァーー...」
大きなため息が出る
疲れたとかじゃない
聖夜の...
聖夜の目が怖かった
何かを見透かされたような目
あの目が...あたしを見据えてた