夏の日の出来事
それから、言えないまま1週間が経った
このままじゃダメだって分かってても...
全然言えないままだった
「聖夜、どうだった?」
「康祐...やっぱり言えなかった」
昨日も言おうとしてみたが、由愛が優しすぎて...
言えなかった、傷つけれなかった
学校へ行くと、康祐が教室で待ち構えてた
「やっぱりな...」
「由愛を...傷つけたくねえよ、俺...」
「でも、それって逆に傷つけてるんじゃねえの?」
「あ?」
康祐を見る
「聖夜が嘘つくの、北野は望んでねえと思う。はたから見ればお前ら、想い合ってるように見える。北野も...満更嫌そうには見えねえけど」
「...由愛が...?」
嘘だろ...?
思い合ってるように見える?
本当に俺らが?
「だからさ、...お前も素直に言ってみろよ。北野は、お前を許したんだろ?」
「俺をって言うか...俺の家族を」
「だったらさ、多分大丈夫だと思うんだよね、俺」
「...あぁ...」
「焦らずゆっくりさ、言えばいいんじゃねえ?北野もきっと、それを望んでると思う、俺は」
「...分かった。言ってみる」
ありがとなって言うと、うるせぇと頭を叩かれた