夏の日の出来事


「俺、帰りに言ってみるよ」


「おう、その方がいいと思うぜ」


放課後、一緒に同じ教室へ行く


「由愛ー、帰ろうぜ」


「ちょっと待ってー!!」


由愛は慌てて準備をしてる


「聖夜、先に帰るぞ」


「おう、また明日な」


「...頑張れよ」


「おう」


康祐は最後にそう呟いて帰って行った


あの2人は...羨ましい


ケンカなんて、めったにしないだろう


「ごめんっ!!遅くなっちゃって!!」


「いや、気にすんな。髪、グチャグチャ」


「うっそー!!」


髪を優しく撫でてやって手を差し出す


「手、繋ごうぜ」


「うんっ」


嬉しそうに手を重ねる


...もしかしたらもう...最後かもしれねえな...


「由愛、大事な話があるんだ。家に来ねえか?」


「え?あ、うんっ」


由愛...ごめんな...


もう...一緒に居られねえかもしれねえな...


俺は、一歩一歩を踏みしめて俺ん家に向かった






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