夏の日の出来事
「ちょ、由愛?」
あたしの手を握って、あたしの顔を覗き込む
「優しくしちゃいけねえの?」
「優しすぎるよ...」
聖夜は、どれだけ悲しみに耐えたのかな
どれだけ1人で悩んだんだろう
あたしは...あたし1人で必死だった...
「由愛は何が気に食わねえの?」
「聖夜の、優しさ」
聖夜をまっすぐ見つめる
聖夜もあたしをまっすぐ見つめ返す
他から見れば変なカップルだろうけど...
「優しくするなってこと?」
「そうじゃない」
「じゃあなに?」
「....」
うまく言える自信がない
あたし、国語の成績2だから...
うまく伝えられない
「黙っちゃ分からねえよ、俺」
あたしの髪をサラッと流す
「由愛の国語の成績なら康祐の彼女から聞いてる」
「えっ!?」
なんで凜乃が!?
てゆうか人の成績を何勝手に言ってるの、凜乃は!!
何を考えてるの、あのバカは!!