夏の日の出来事


「ハァ...ハァ...」


家に入って、息を整える


あたしは1人暮らし


そのことを知ってるのは数少ない


だって、言えるわけがない


あたしは1人っ子だから


兄弟なんて居ない


ましてや、好きな人なんて...


絶対居なかった


先輩や後輩、同い年に告られたことはある


だけど、全部無視をした


呼び出されても、行かなかった


そんなの、要らないから


欲しいのは、家族


家族さえ、返してくれれば...


あたしはこの3年間、恨み続けた


お母さんとお父さんを殺した運転手を...


覚えてるのは、相手も入学式の行く途中だったってことだけ


それがいつの入学式かは分からないし分かりたくもない


それは、凜乃が1番知っていた


あたしは...ずーっと璃乃に言っていた


「犯人を見つけたら、この手で殺したい」って...


もちろん凜乃に止められたよ?


だけど、もしこの世界に裁判がなければ


あたしは絶対この手で殺している


どんな手を使ってでも探し出して、殺すだろう――


それだけあたしは恨んでいるから






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