夏の日の出来事


「グスッ...」


「聖夜...」


「俺、もう帰るよ」


「うん...」


「だけどこれだけは覚えとけよ」


聖夜はあたしを抱き締めた


「俺は...由愛をこれからも愛してるから」


「...うん...」


あたしだって...愛して...はいないけど...


大好きだよ...?


でも...ごめんね...


「じゃあ、帰る」


「送るよ」


「平気だっつうの」


「あいたっ」


聖夜がデコピンをする


「俺は男なんだから。お前こそ平気?」


「え?」


「1人なんだから...誰かに頼れよ」


「うん、ありがと」


「じゃあ...明日な」


聖夜は最後に...ホント最後にキスをした


すごい切なくて...


胸が締め付けられた


聖夜はそのまま、1度もあたしの目を見ずに帰って行った


聖夜...ごめんなさい...









< 99 / 121 >

この作品をシェア

pagetop