薄桃の景色に、シルエット。
「そうだな…。やりたい事があるんだ。少し、頑張ってみるよ」


 諦めてばかりだった私は、頑張る事をして来なかった。

 誰が治療に励んでくれと言っても私は耳を貸して来なかった。

 でも、今は素直に頑張ってみようと思える。

 それは彼の胸で泣いてスッキリしたからだろうか。


「元気になったら、そしたら彼もまた会いに来てくれるわ。きっとね」

「ありがとう」


 検温が終わった看護師はふわりと私の頭を撫でると、静かに部屋を出て行った。

 部屋に入り込む風は少し冷やりとしていた。

 もうすぐ秋か。


「いつか、会いに行くからな。そしたら、ありがとうって言わせてくれ」


 見上げた宙の青さと広大さは相変わらずで、……しかし白く浮かぶ月は見つける事が出来なかった。


* * * E n d * * *


 きっと会える。そう信じる事だけは許される。

 さてさて、続くのか、これで終わりか。

 私の中で微妙に葛藤中です。

 この先を書いて良いのだろうか…。

writing by 09/12/01
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