薄桃の景色に、シルエット。
「お母さん。夕日、綺麗だね…」

「……ええ……」

「夕日が優しいのは、お昼にたくさん頑張ったご褒美なんだって」

「……そうなの……」

「今日も一日、お疲れ様。夜はゆっくり休んで、明日もまた頑張ろうね」


 大切な何かを忘れてく毎日に、生きる事がつらくなる日がきっと来る。

 だからそれまでは、少しでも楽しい毎日を過ごそう。

 私が傍にいるから。結婚したりしても、出来るだけ来るから。

 忘れてく事に怯えないでいいよ。

 でもね、お母さん。一つだけワガママ、言ってもいいかな。

 私が愛してるという事だけはどうか、心のどこかで感じていて。

 産んでくれた事、愛してくれた事、たくさん感謝してる。

 ありがとう。

 世界で一番、大切なお母さん。

 ――いつまでも、どんな事があっても、愛してる。


* * * E n d * * *


 親はどんな事があってもいつまでも親なんだなぁと思える話が書きたくて出来たのがこのお話です。

 親子っていいものだなぁと思えるように出来上がっているなら嬉しいのですが…。


writing by 10/01/11
< 26 / 45 >

この作品をシェア

pagetop