薄桃の景色に、シルエット。
「気がついたか?! 本っ当に済まなかった! 頭大丈夫?!」

「っ……頭じゃなくて、ひ・た・い!! 違った意味に聞こえるでしょーがっ!!」

「わ、悪い。額、大丈夫か?」

「めちゃくちゃ痛いですけど大丈夫ですー。石頭なんで、」

「……ぷっ。い、石頭……くくくっ」

「ちょっと! 笑うとこじゃないんですけど!」

「いや、悪い……石頭……ははっ」

「大体ねぇ! 何でカーテン閉めないで着替えるわけ?! 神経疑っちゃうよ!」

「いつもは閉まってるもんで。今日はお袋が掃除して開けたままにしてたみたいだね?」

「みたいだね? って何よ! 有り得ない! 絶対有り得ない!」

「うーん。取り敢えず過ぎた事は仕方がない。今度詫び入れるから勘弁してくれないか?」

「詫び? どんな?」

「君が着替えてる最中に俺が出くわすようにタイミングを見計らっ」

「どこが詫びなのか説明しろーっ!! 意味が分かんない、何なのアンタ、バカじゃないのアンタ、アホじゃないのアンタ、もう最っっっ低っっっ!!!」

「んじゃ、もうちょい考えとくよ」

「要らない! 私ももう忘れるからアンタも忘れなさいよね! いやもう何が何だか分かんないけど!」

「そう?」

「ハイ!! じゃ、さよーなら!」


 そうして窓閉めてカーテン閉めて、ぐわんぐわんする頭を抱えてそのまま眠ったんだよな。

 ほんと、最悪な出会い方というか何というか。

 でもこの事が無かったら、私達はただのお隣さんで仲良くなる事もなかった。

 後日、おにーさんは窓越しに美味しい梨をくれて、こんな風に窓越しの会話も私達の兄妹みたいな関係も始まったんだ。










「って感じでね? 最近みんな女の子らしくなったなーって思ってたら、みんな恋してるんだって! 3人全員だよ? もー、うきうきしちゃうよねっ」


 今日は仲良し4人組で私がみんなの髪型やリップなんかが変わった事を指摘した事から、今まで会話に上がらなかった恋バナが出て来てみんなの恋を聞いた。
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