薄桃の景色に、シルエット。
 劣等感を感じた時もあったけど、今ではそれもひっくるめて大好きだ。

 みんな私を何の取り柄がなくても大好きだって言ってくれるから、私は今のままでも充分いられる。


「でもね、私にもちゃんと良いとこがあるから、それを武器にしてくんだー」


 周りの空気を変えられる、それも一つの才能だって言ってくれた。だから。


「うん、その考え良いな。俺もお嬢さんのそういうとこ、いいなって思うよ」

「へへ、ありがと」

「良い友達持ったんだな」

「うん! 半年前から良いおにーさんも持ってるよ」

「あははっ。それはどうも」


 おにーさんが笑ってくれると、何だか心があったかくなる。

 おにーさんが本当のお兄さんだったら良かったのに。

 そう思う心と裏腹に、どこかお兄さんじゃなくて良かったと思う自分も感じていた。

 何でそう思ったのかは深く考えずに、私は素直におにーさんとの時間を楽しむ事にした。

 季節の変わり目。

 何かが変わりそうな、そんな予感がしていた。


* * * E n d * * *


 心が疲れている時に無性に書きたくなるタイプのお話ですねー。

 恋愛フラグ立った……かな?


writing by 10/01/27
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