薄桃の景色に、シルエット。
「……よ…い…っしょ」


 重い腰が上がる。ああ、こんなに節々が痛い。

 僕はこんなにも長い間、君に無理させて来たんだね。

 本当に本当に、ごめんよ。


「よし…、もう…大丈夫、だ…!」


 さぁ行こう。

 君がいれば、きっと出口は見つけられる。

 例え出口を間違えて違う場所に辿り着いたって、歩いた結果ならきっと、悔みはしない。


「ね、きっと大丈夫だよ。行ってみようよ!」


 僕らの、僕だけの、出口へ―――。


* * * E n d * * *


 場所は迷い込んだ森。迷路のように枝分かれしたトンネル。

 そんなイメージです。

 だけど本当は、殻にこもってしまった『僕』の深層心理でのお話。

 “僕”も“君”も同じ“自身”なのです。

writing by 10/03/18
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