小さな幸せ

「はい!」びっくりしてつい大きい声をだしてしまった

「りんなんか今日変だよ?」しいが不思議そうに

わたしを見つめる

「あはは...ちょっと考え事してたわ」苦笑しながらわたしは言った

気持ちを切り替えなくちゃ

自分に言い聞かせるようにほっぺたをパチンとたたいた

「で、なんの話してたっけ?」しいにさっきまでの内容を尋ねる

「だから、ばど部で海に行かないかってはなし」しいが雑誌をみながら言う

みんなと海かぁ...

楽しそうだけど...

「でも広永は彼女とデートじゃない?」ためらいがちにわたしは言った

「いや、なんとしてでも行かせる」急にしいの目つきが変わった

「だからりんお願い。広永説得して」しいがわたしにせまってくる

「なんでわたしが...」

「りんの言うことならあいつ聞くじゃん。お願い」

いつも以上に必死に頼むしい

「わかったよ...」根負けし、わたしはしぶしぶ引き受けた

それと同時にわたしの中に小さな不安が芽生える

もしかして、しい...

ううん。そんなことないよね

嫌な考えをふりきるようにわたしは頭をふった

「じゃぁよろしくね」

しいにぽんと肩をたたかれた

今は広永を海い誘うことだけに集中しよう

わたしはそう決意して

しいの家を後にした


PM7:00

わたしはべっどの上にあぐらをかき

ケータイとにらめっこしていた

「うーんどうしよう。」一人でつぶやく

メールだとはぐらかされてしまうし

やっぱり電話するべきなのかな

でも、いきなり電話とか迷惑かな

頭の中がぐちゃぐちゃになる
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