小さな幸せ
よし、電話するぞ
決意を固めケータイを手に取った瞬間
いきなりケータイが鳴った
びっくりしすぎてケータイを落としそうになる
ディスプレーをみると
広永からだった。
嬉しさと恥ずかしさで一気にほほが紅潮する
震える指でボタンを押し電話にでた
「もしもし?」喉がからからでうまく言葉がでない
「もしもし?若葉?」広永の低めの声が聞こえてくる
心臓がばくばくして呼吸がうまくできない
「あの...」
「あのさー」
わたしの声をさえぎって広永が話しだした。
「ん?若葉なに?」
「なんでもないよ。先言って」
心臓の音がうるさくてよく広永の声が聞こえない
「明日ひま?」
広永にそう言われいそいでカレンダーに目を走らせる
「うん。ひまだよ」
「じゃあ明日1日買い物付き合ってくれない?」
突然の誘いに心が浮き立つ
「うん。いいよ」
どきどきを悟られないように冷静を装って返事する
「ありがとう。じゃあ明日2時に向かえに行くから」
「わかった。」そう言って電話を切る
まだどきどきが止まらない
明日広永と2人で買い物
どんな服を着てけばいいかな
髪はどうしよう
考えることがいっぱいで何をはじめたらいいかわからなくなってしまった
それに結局海の話はできなかった
まあ明日話せばいっか
そう考えてわたしは明日のことに胸をはずませていた