トキのカナタへ
ホームルームが終わり紗和が帰る準備をしていると、2人の美少女が彼女に声をかけた。
「紗和〜、一緒に帰らない?」
「寮の前までは方向同じだし……どう?」
彼女達の名前は上から
一ノ瀬 捺綺(いちのせ なつき)
と
宝生 千鶴(ほうしょう ちづる)
である。
合格者登校の日に、千鶴が落としたキーホルダーを紗和が拾ったことがきっかけで意気投合し、早くも友達となったのだ。
「もちろん、喜んで!」
そう言って向けられた
とびきりの笑顔。
思わず捺綺と千鶴は顔を赤くした。
(※本人は自覚していないが、紗和は超絶美人。)
((か、可愛い…))
それは、まだ教室に残っていた人達も同じようで………
皆顔が赤く、中には鼻血を出している者までもがいるという、なんとも奇妙な光景がそこにはあった。