トキのカナタへ
今日は国立桜華学園の高校受験の日。
が、
本当ならばここ、保健室ではなく、決められている試験会場で受けなくてはならないのだが、彼女は1人保健室で受けていた。
なぜなら………………………………………………………………熱があるからである。
(うぅ、今日にかぎって…)
そんな彼女の心境を知ってか知らずか、白衣の男性、もとい保健医は口を開いた。
「まぁ、誰でも体調は崩すもんだ。君の場合たまたまそれが今日だっただけ。んな気にすんなよ」
「あはは。そう……ですね」
(………でも先生、気にするなと言われてもやっぱり気にします……)