王子様の本性
細められた二重の瞳、
綺麗に弧を描く唇....
そしてなんと言ってもそのパーツ一つ一つがまるで中性的な顔立ちを醸し出していた。
あたしは金縛りにあったような感覚に陥り風が吹きやむまで彼の顔から目が話せなかった。
見つめているうちに、彼しか見えなくなって彼を取り巻くまわりの景色が一気に霞んだ。まるで、彼が世界の色を操っているように。
風が吹きやみ全身から力が抜けたあたしは、むせてしまった。
『っ....ゴホッ..ゴホッ...
ハァ...っ..ハァハァ』
知らぬまに息をとめていたようで、息苦しくて思いっ切り息を吸い込んだ。
それを見た彼はまた笑いを堪えていた。
本当だったら文句一つでも言ってあげたい気持ちだったが彼の笑顔があまりにも綺麗だったからそんな気持ちも薄れてしまった。