ダメ恋・スキヤキ編
深夜まで空いているスーパーマーケットに
行かなくなって数カ月が過ぎた。

いまは少し離れたスーパーで日常の買い物は済ませている。
不便ではあるが、
知らない人間のせいで、不愉快の思いはしたくなかった。

金曜日の夜11時。自宅でくつろいでいると携帯電話が鳴った。
彼だった。
「明日、あさって、キミの家に泊まりに行くよ」。
「わかった。夕飯は何がいい?」
「スキヤキが食べたい!」
8つ年上の彼は子供のような声で言った。

この時間だと例のスーパーマーケットしか開いていない。
明日の午前中にお買い物に行こう。

土曜日の朝。
とても天気の良い日だった。
掃除、洗濯を済ませてわたしは例のスーパーの前の通り過ぎ、
遠くのスーパーへ向った。

食品売り場に行くと、
わたしはつぎつぎに食材をカゴに入れていく。

肉売り場に行くと、
多くの主婦、家族連れが肉選びに時間をかけていた。
わたしが肉に手を伸ばそうとしたとき、
突然カネがなった。

「さぁ、いまから肉セール!高級なお肉がナント半額!半額!」

とつぜん周囲が騒がしくなり、
人だかりになった。
その人だかりの中に、あのレジの女がいた。





< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop