彼氏Get! アイリス・須川愛里のひと夏の恋
 これでも私は酒類は滅法、強いのだ。


 多分、父上と母上の遺伝だと思う。


「チコが一番、強い方かしら?」


 アイリスはこう私を自慢しながら、ピザを頬張った。


 シーの方は、恥ずかしそうに缶をちびちびやっていた。


 中身は烏龍茶である。


 シーは私やアイリスとは正反対に、アルコール類は全くダメなのだ。


「ねー、少しぐらいは飲めるだろう? ちょっとだけ、注いであげるよ」


 シーの隣に座っているケンジって男が、紙コップにビールを軽く注いだ。


「ゴメンなさーい、全くダメなんですぅ」


 シーは申し訳なさそうな顔で拒否するばかり。


 それでもケンジが進めちゃうから、シーはちびちびっと紙コップに口を付ける。


 雅治が質問して来た。


「チコとかシーとか、それってニックネーム?」


 オードブルの唐揚げをパク付いた私。


 指で宙に字を書く仕草を見せながら答えた。


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