金烏玉兎
飛ばされそうになるのを必死で踏ん張る。
ぐらりとバランスを崩した聖は壁に手を付いた。
その隙を狙って刀を振り上げるけど、鞘に入っているそれは素手で掴まれる。
全てがスローモーションに見えた。
素手で掴まれた刀は、それはもう簡単に折れた。
驚いて固まってしまった私の胸倉を掴んだ聖。
聖の顔が近い。
美形顔と銀髪。透き通るような瞳は焦げ茶。
綺麗な人。
私はそのまま縁側の方へ吹っ飛ばされた。
綺麗な女。