金烏玉兎



私の体は綺麗に庭の池にボチャンと入る。
幸い、岩とか樹に頭を当てることなく飛んだ。


「桜嘉!」


浅い池で良かった。

それに鯉も居ない。


ゲホゲホと噎せて、聖の部屋の方を睨み付ける。

縁側を歩いてきた静綺も視界に入る。

聖はこっちに歩みよってきて、静綺はその前に立って制した。


「辞めとけ。」

「こっちは売られた喧嘩買ってるだけ。」


イントネーションが京都弁になっている。

そういえば、聖の家の本家は京都にある。



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