金烏玉兎


苦笑いを返す照大。

だって、ほら照大は自分が辛い時でも決して涙を流そうとはしないから。


「…なんで桜嘉が泣くんだよ。」


ティッシュで顔を拭かれる。

私は嗚咽を繰り返した。


「しかも、剣道で勝とうってのは凄いな。俺は剣道で勝てないから弓道に進んだのに。」

「…そう、なの?」

「うん。」

さっきのあれは、殆ど剣道の要素は無かった気がするけど。

すぐに刀も折れちゃった…

「刀!どうしよう、東仲さんに怒られる!」

さっきの東仲さん、怖かった…。



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