金烏玉兎
雪積もるその躰、兎は凍え死なない。
夕飯の雰囲気は思うほど険悪では無かった。
聖は好物の卵焼きを頬張って、ちょっと機嫌が良かったし、照大も静綺も何も掘り返したりしない。
私は東仲さんに刀の話をして、「あれはレプリカなんですよ。」と笑われてホッとしていた。
確かに、本物があったら銃刀法違反っていうのになってしまう。
「今日は暖かいですけど、ストーブとコタツを明日には出しておきますね。」
東仲さんの言うことにみんな賛成した。
明後日から中間らしい照大は、部屋に籠もる。
大変だなぁ…と人の身を案じている暇なんてない。
私ももうすぐ試験。