金烏玉兎
思えば、もう十二月。
冬休み直前に、学校では期末試験がある。
この前の中間は酷かったから、今回は良く無いと私も親に呼び出しをされるかもしれない。
「急に寒くなったね。」
自転車を押している私の隣で手をポケットに突っ込む百合ちゃん。
これからコンビニのバイトらしい。
「バイト先にヤクザの人、来たりしない?」
裏社会の人がこっちの人に危害を加えるとは思わないけれど、心配。
「たまに来るけど、大丈夫。それに綺麗な人も居てびっくり。」