金烏玉兎
…そっかクリスマスだ…。
来年は恋人が居て欲しい!なんて願っていた去年のクリスマス。
今年も居ないよー、去年の私。
去年の私が好きだった人と並んで、商店街を歩いてはいるけど、恋人から遠ざかりお兄さんみたいな人になった。
来週には聖の誕生日。
「送ってもらって、ごめんなさい。」
「こっちこそ、付き合わせてごめん。そんで、ありがとう。」
屋敷の前まで送ってくれた先輩に御礼を言う。
後ろ姿を見て、中へ入った。
玄関には、今から出掛けようとしている照大。