金烏玉兎


今回はまずまず。

静綺も部屋に引きこもってしまったから、ハムを探しに行こうと聖の部屋の縁側に向かう。

そこには、今年の春より一回り大きくなったハムが丸まっていた。

顎の下を撫でると目を細める。


「…あれ、聖は?」


部屋の戸は開いていて、中は空っぽ。

聖が部屋に居ないなんて珍しい。

入れ違いで日本間に戻ったのかと行ってみるけど居ない。

それから色んな部屋を探したけど、何処にも居ない。

バタバタと歩く私にくっついてきたハムは、決して私に懐いているわけじゃない。



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