金烏玉兎
既に夏の香りはしなくなった。
休日の朝は恐ろしく時間が遅く進んでいるようで怖くなる。
「おはようございます、桜嘉さん。今から用意しますね。」
「おはようございます…お願いします。」
日本間でテレビを見ていた東仲に申し訳なく思った。
一番遅く起きたのは私らしく、10時20分を示す時計を見る。
多分、照大は弓道部の練習、静綺は遊びに行ったとかかな。
最近買いかえられたテレビを見ていると、襖が開いた。
もう朝ご飯出来たんだ、とそっちを見て驚く。