金烏玉兎















屋敷はいつも通り。

帰ってきたのが一番遅いのは私だったらしく、静綺と聖が日本間でオセロをしていた。

照大もコタツに足を入れて、テレビを見ている。

「お帰り。」

一緒に蜜柑を渡されて、コタツに足を入れようとすると、ぶにっと何かに当たる。

ん?

コタツの中を見ると、丸くなったハムがこっちへ威嚇していた。

「ごめん!」

どうやらハムを蹴ってしまったみたい。

ハムとは反対方向に足を伸ばすと、テーブルの上に置いてあった私と照大の携帯のバイブ音が同時に鳴った。



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