金烏玉兎
公園に転がるボール。
ブランコを取り合う子供達。
「俺が守る」そう言ってくれた正義のヒーロー。
これは、何時の記憶?
目を開くと、薄暗い部屋の天井が見えた。
心臓が耳の横にくっついてしまったみたいにドクンドクンと煩い。
「…夢?」
呟いて不安になる。
襖を開けて、無意識に聖の部屋へ向かった。
少し開いた聖の部屋の襖を開けると、ひいた布団の上にハムが丸まっている。
当人は縁側へ足を投げ出していた。
「…んだよ?」
忍び足で近づいたのに、気付かれた。