金烏玉兎


目を細める聖。

猫のようにキラリと光った気がした。

思わずその首筋に手を伸ばす。


「…甘えたが。」


あたしより細い首とマリア様のネックレス。

後ろから巻きつくようにしがみつけば、聖はそれだけ言って黙る。


「聖、何処かに行くの?」


みんなみんな、この屋敷から出て行っちゃうの?

全員、離れ離れになっちゃうの?


「…夜這い女。」





頭突きされた。





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