金烏玉兎
そうなんだ、そうだったんだ。
頷きながらも、百合ちゃんの机を叩いた音に驚いたクラスメートの視線が痛かった。
屋敷の日本間でコタツに入って居眠りをしている照大を見つけた。
東仲さんは買い出しに行ってしまって、今は居ない。
部屋にあった薄い毛布をかける。
私もコタツに入って、テレビの音量を下げてドラマを見る。
「ん…。」
唸り声が聞こえて、照大が起きた。
寝ぼけ眼で広がったノートや私に視線を向けた。