金烏玉兎
体育では持久走をしていて、寒い中、ジャージを着ながら走らないといけない。
百合ちゃんは気合いを入れるように、準備体操をしている。
今日、静綺は学校に来ていない。
「笹原さん…。」
何か知ってるかな。
「え?」
隣に居たのは本人で、慌てて首を振る。
「な、なんでもない!」
「あ。」
私と笹原さんの声が重なった。
瞬間、視界がガクッと下がって視界一杯に見えたのは地面。
…痛い。
どうやら転んだらしい。