金烏玉兎
どうして、ここに静綺と照大が居るの。
教師の居ない保健室で、静綺はソファーに座り、照大はそれに対峙していた。
二人の四つの瞳が、こちらを向く。
「…桜嘉。」
呟く声は小さすぎて、どちらのものか分からなかった。
私は二人に詰め寄る。
「ど…どういう意味?どうして照大がここに居るの?静綺は何処へ行ってたの?
日常が破壊って…?」
膝から流れる血なんて、気にしてられない。
二人は暗い顔を俯かせて黙りこくる。