金烏玉兎


日曜日は休日。

東仲さんは庭の手入れをしていて、照大は部活で、私は家で寛ぐ。

今日も二人は不在。

コタツの中に足を入れてぬくぬくしているとハムが近づいてくる。

最近、聖が居ないから次に家によく居る私に懐いてきている。

こんな風に耳の後ろを撫でてあげても、喉を鳴らしたりしなかったのに。

もしかして、聖はそれも分かっていた?

分かって…もしかして、もう戻ってくるつもりなんか無いんじゃ…。

近くに置いてあった私の携帯が着信音を発する。

ディスプレイには百合ちゃんの文字。



< 161 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop