金烏玉兎
課題の範囲とかかな?と思って、課題があったことを思い出す。
…私って馬鹿。
「もしもし。」
「ど…どうしよう。」
興奮というより、怯えたような声が聞こえた。
「どうしたの?」
反射的に立ち上がると、ハムが襖の間をスルリと抜けて出てしまうのが目に入る。
「コンビニの裏口で、水島が居て。居るってゆーか、喧嘩した後みたいに傷だらけで気失ってて。」
静綺が、気を失うなんて。
思い当たる原因はひとつ。
「…救急車呼んで。」