金烏玉兎
「き、救急車って何番だっけ?」
「落ち着いて百合ちゃん!救急車は119だよ。」
私は自分の部屋へ行ってコートを羽織る。
静綺がそんな状態ということは、聖も危ないかもしれない。
今、この状況でそれを妨げることが出来る可能性が高いのは、私。
本能的に、行かなくちゃと思った。
「百合ちゃん、静綺をお願い。」
そう言って電話を切った後、
「東仲さーん!ちょっと出掛けて来まーす!」
玄関を飛び出した。