金烏玉兎
それを羽織って、聖の腕を掴む。
インナーも黒く、スニーカーには血が付いていて黒く見える。
「病院、行こう。近くの病院なら…。」
「どうでも良い。」
「良くなんか無い!傷口が開いちゃう。」
こちらを睨んでいた聖は、私の胸倉を掴む。
素早く平手打ちが飛んできた。
右頬が焼けるように痛い。
「…お前は、本当に…。」
吼えるように聖は怒る。
「なんであそこに来たんだよ?静綺を売ってまでして、潰そうとしたのに。
どうしろってんだよ、本当に…。」